ウェルネスを通して自己とのつながりを取り戻す - 近藤由希子インタビュー

  • 文 Jasmine

近藤由希子さんは、自身のウェルネスに対する哲学について語ることで、ラピデムがどのように始まったのか、そして六花スパがどのようにお客様一人ひとりと向き合い、自己とのつながりを取り戻すユニークな旅へと導いているのかを話してくださいました。

自己紹介とLapidemでの役割について教えてください。Lapidemについて、また会社がどのように始まったかを教えてください。

ラピデム株式会社代表の近藤由希子と申します。20代はアパレル会社で店舗運営やPR、デザイナーの仕事をデザイナーの仕事を得ました。そして、ブライダルドレスのオーダーメイドサロンを立ち上げ、独立をしたのですが、ドレスサロンにいらっしゃるお客様がお肌や体型の悩みによって、本当に着たいドレスを諦めている姿を見て、人生の中で最高に幸せな時間を迎える花嫁様達に完璧な状態で迎えてもらいたいと思い、花嫁様達の悩みを解決できるようなエステサロンを同店舗の隣に立ち上げたのが現在のラピデムの始まりです。その後、東京の赤坂にて2014年にLapidem Tokyo spaをオープンし、スパプロダクトの企画、開発、販売及び国内外のホテルスパ様にセラピストの技術トレーニングやスパプログラムの設計などを行なっております。

ニセコには行ったことがありますか?ニセコのどんなところに魅力を感じましたかニセコで好きな場所、好きなことは何ですか?

はい。何度か行かせていただきました。初めて行ったのは、今回のコラボレーションのお話を頂く前でした。一人旅で行ったのですが、車を借りて自由気ままにドライブをしながら、本州エリアではなかなか見ることのできないダイナミックな自然の景色に感動したのを覚えています。

東京に住んでいる私にとっては、ニセコの自然体験が何よりも魅力です。ニセコで好きなことは、自然やスキー、食事など、沢山ありますがその中でも私が個人的に魅力に感じたのは『人』です。昨年の夏に何人かのスタッフを連れて行った際に、みんなでサバイバルゲームやサップなどのアクティビティをして遊んだんですね。大自然の中で行うアクティビティ自体、非日常でとても楽しかったのですが、何よりもそれぞれのアクティビティのインストラクターの方達の人柄が一番記憶に残っています。またこの人達に会いに来たいなと思える出会いがあるのもニセコの魅力の一つではないでしょうか。

「真の美しさは健康のその先にあるもの」という哲学が大変気に入り、この言葉に同意します。この哲学について、もう少し詳しく教えてください。

私は「バセドウ病」という病気になりました。バセドウ病は甲状腺という器官の病気で、お医者さんいわく体内がフルマラソンをしているような状態になるんですが、疲れていても覚醒状態が続いて元気は元気なんです。だから、それまで大きな病気をしたことがなかった私は、自分が病気だなんて思いもせずに仕事に打ち込んでいたんですが、そのうち知人から「なんだか変だよ」とすすめられて病院に行ったら、よく普通に生活ができていたねと驚かれるような状態になっていました。

病気になって気づいたことが2つあります。1つは自分の心身に目を向けて体調の変化に気づくことの大切さ。もう1つは、心や体が健康でないと外面も美しくなれないということ。このような実体験から代替医療や予防医学、東洋医学について勉強し始め、真の美しさはどこまでいっても心身の健康の先にしかないんだなと、その大切さを改めて知り、現在のラピデムの哲学となりました。

この哲学を、スキンケア製品やスパ体験にどのように反映させているのでしょうか?

私たちはお客様に『自分らしく、充実した幸福な人生を送るためのサポート』をすることを使命としています。その為に心身の健康はとても大切な要素の1つです。先ほどもお話しした通り、自分の状態を知るということは、健康や美しさを支える上で非常に重要なことです。ラピデムでは、体質診断やカウンセリングなどを通して、お客様にその日の心身の状態を知ってもらよう努めています。

また、ご自宅でも日常的に行っているスキンケアの時間も、あえて儀式としてとらえ、自らを労ったり、清めたり、心身に平穏をもたらす”特別な時間”に変えることで、質のいい睡眠を促し、それによって若々しく健康な肌や心、身体をもたらせられるような方法をご提案しております。

近藤さんの考えるLapidemブランドの成功の秘訣と、Lapidem製品のユニークな点は何ですか?

まだまだ道半ばですが、これまでただひたすらに誠意を持って、お客様に感動や幸福な感情をもたらせるような体験を提供したいという思いでやってきました。

私がスパにおいて大切にしていることは主に3つあります。1つ目は「物語」です。「お客様がスパを訪れてからお帰りになるまでの間(また帰られた後)に、お客様の感情を揺さぶれるような体験をどれだけ与えられるかを考え、ストーリーやプログラムに落とし込んでいます。2つ目は「細部に徹底してこだわること」です。お客様にスパで体験できる癒やしや幸福感といったポジティブな感覚を最大限に味わっていただくために、気づかれるか気づかれないかというような細部に至る「気持ちよさ」に徹底して、こだわることです。例えば、枕から漂う香り、部屋の音楽、調度品など。冬場はスリッパやタオルなど肌に触れるものをほんのり温かくするなど、お客様が五感に触れる全てのタッチポイントを意識して、工夫を凝らすよう努力しています。最後は「セラピスト」です。どれだけ素晴らしいコンセプト設計をしても、物語を描いても、ディテールにこだわっても、全てはセラピスト次第です。目には見えない手から伝わる力や人を癒すポジティブなマインドを持って、お客様と接し、肌に触れるセラピストがいなければ何も始まりませんから。セラピスト、物語、ディテール。この3つがすべて合わさった先に、感動があると考えています。

六花スパでLapidemのスキンケア製品を実際に使用し、その素晴らしさを体験することができ、テクスチャーと香りがとても気に入りました。近藤さんのお気に入りの製品とその理由を教えてください。

ありがとうございます。私が日常的に欠かさず使っているアイテムは、ファイブエレメンツシリーズのバス&マッサージオイルです。

このオイルは5種類あるのですが、”自分のことを知るきっかけを生むスキンケア”というコンセプトで開発しました。東洋医学と陰陽五行説の思想の基ブレンドされた、体質別のオイルです。私たちは『オイル健康法』と言っているのですが、その時の自分の状態にあったオイルを毎日お風呂上がりに髪の毛や顔や身体、全身に塗っています。

六花スパはLapidem TokyoとConceptasiaのコラボレーションですが、雪ニセコのゲストにどのようなスパ体験を提供することを目標としていますか?

六花スパで行なっているスパ体験は、Lapidem東京で行なっているものとは全く異なります。地元(ニセコ)の素材を使用し、自然を尊び、自然から学び、自然と共に生きる文化を持った、この地ならではの「ここ(六花スパ)でしか体験することのできない」スパ体験をご提供することを目標としています。

ニセコに六花スパがオープンすることで、最も期待していることは何ですか?

未曾有のパンデミックが始まって、早3年が経ちますが、世界的によりウェルネスツーリズムなどの重要が高まっているように感じます。自然に触れたいという欲求を叶えてくれるニセコはリトリートにとても最適なこの場所です。日頃の生活習慣を見直し、健康意識を高め、ウェルネスに生きることの大切さを改めて実感させてくれます。また、六花スパでの体験を通して、日本ならではのスパ体験の素晴らしさを世界中の方達に知って頂くことを期待しております。

森のリチュアルトリートメント

8月25日~27日

六花スパとラピデムトウキョウとのコラボレーションで実現したこの贅沢なウェルネス・リトリートは、雪ニセコの静寂の空間と大自然のなかで新しいウェルネス体験をもたらします。自己の内面を解き放ち、癒し、満たされる特別なリトリートをお楽しみください。

このリトリートの一番の特徴は、アジアで活躍するサウナマスター、東海林美紀によるサウナの伝統儀式“ウィスキング”です。ウィスキングとは、サウナの中で「ウィスク(ヴィヒタ)」と呼ばれる草木の枝葉を束ねたものに蒸気をからませて暖かい風を送り、全身をトリートメントして発汗作用やリラックス効果をもたらす手法のことです。

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