「雪ニセコの旅」第 3 弾 - スキーホリデーがもたらした発見

  • 文 Sirada

ラグジュアリーな生活の具現化を続け、アジア全体で評判を得たシンガポールのデベロッパーであるSC Globalは、25年間、その品質と細部の美しさにまでこだわったコンドミニアムの開発をしてきました。創設者であり、会長のサイモン チョン(Simon Cheong)は、スキーホリデーで家族で滞在したニセコのスキー場のふもとに、SC Globalが象徴する「究極の生活」を実現する環境を発見しました。

サイモン会長は世界各地の美しいスキーリゾートを訪れていますが、ニセコは世界のスキーリゾートと比べるとどうですか?

家族で初めてニセコを訪れたのは2008年頃で、それ以来、毎年の恒例行事になりました。ニセコでの休暇はいつも素晴らしく、家族はとても気に入っていますし、私はすっかりニセコの雪に魅了されました。すべての家族がバンクーバーやツェルマットのようなゲレンデを求めてはいませんし、ニセコのスキーリゾートは子供たちに優しく、車で20分以内の範囲に複数のリゾートがあり、コースも豊富です。

2008年当時、ニセコはまだ静かな山間の町でした。宿泊施設の多くがペンションで、国際的なブランドや大きなリゾートがほとんどない、家族経営のビジネスが主流でした。特に当時は多くのレストランが小規模で、ピークシーズンに大家族がひとつの大きなテーブルで全員一緒に食事をするには難しいときがありました。

日本での体験において、食べ物は常に大きな部分を占めています。日本の料理は本当に別のレベルに達しており、コーヒーやチョコレートに至るまでが、細かいところまで洗練されています。そして日本で食事をするときに経験する心配り、おもてなしには、毎回心から感謝します。

日本でのスキーホリデーで、もう一つ大きな影響を与えてくれるものは温泉です。これは本当に世界に誇るべきでしょう。温泉は何千年も前から存在し、目新しいものではありませんが、日本人は素晴らしい温泉文化を完成させたと思います。

また、ニセコはリゾートで英語が通じるという大きなポイントがあります。私は白馬に行ったことがありますが、言葉が障壁になることがありました。ニセコはほとんどがバイリンガルであり、特にASEANからの旅行者に大きなプラス要因です。そして最後になってしまいましたが、もちろん世界で最も素晴らしいパウダースノーはニセコにあります。

ですから、これら様々な要素を念頭に置いて、世界クラスのリゾートの基本的な要素がすべてニセコにあることに気づきました。そして、ハイエンドの不動産開発者そしてビジネスマンとして、私は大規模な国際的な高級リゾートを開発する絶好のチャンスがここニセコにあると認識しました。世界は品質を求めており、品質の市場に制限はないと思っています。

ニセコで物件を購入されたのは、スキー中に膝を捻挫した後との事ですが、それがどのように雪ニセコの開発につながっていったのか教えてください。

ニセコで休暇を過ごすようになって3シーズンか、4シーズン目、アンヌプリでスキーをしていたとき、転んで膝を捻挫してしまいました。歩く事はできたので骨折はしていないと分かっていましたから、鎮痛剤を服用して休むことにしましたが、それは残りのシーズン、スキーができない事を意味していました。その後の滞在中は、子供たちは朝早くから出かけていき、夕方4時頃に戻ってくるので、その間妻と一緒に街を歩き、コーヒーを飲みながら、メインストリートにある不動産会社を訪ねはじめる事にしました。しばらくすると、不動産の購入やリゾートの開発の可能性について、自然と落ち着いて考え始めたのです。そこからこの冒険が始まったのです。

その後いくつかの開発用地を購入されていますが、なぜ最初のプロジェクトにこの雪ニセコの敷地を選んだのですか?

率直に言って、非常に好機であったという事です。私が最初に購入した雪ニセコの敷地は、不動産会社から提案された全ての土地のなかで、恐らく最も高価な土地でした。しかし、羊蹄山を正面に望み、アンヌプリを背面に一望できる絶好のロケーション、夜はナイターのライトアップが壮大です。不動産会社からは他の土地も勧められていましたが、私はこの雪ニセコの土地にとても引き付けられていました。何とも言えない好感を得ていたのです。ニセコ周辺で4箇所の土地を購入する事になりましたが、この敷地を重要なキーサイトとして開発に集中することにしました。

羊蹄山を初めて見たときは、その景色の素晴らしさに驚きを隠せませんでしたが、その本当の素晴らしさを実感できるようになるまでには、数年かかりました。あるとき、私は「何が大事なのか」と疑問を持ち始めました。富士山の方がいいのではないか、そう考えてから私は、その違いと、羊蹄山がとても特別に感じた理由に気づきました。富士山の広い裾野には小さな山がたくさんあり、山の近くでは、山全体を楽しむ完璧な景色を見つけることはできません。一方羊蹄山は規模が小さく、麓の土地は平坦で森林が広がっているため、山を見たとき絵に描いたように完璧な景色を眺めることができるのです。

日常から離れて癒しを得る、ホリデーリトリートとして雪ニセコに作り上げるあなたのビジョンはどのようなものですか?

私たちは、ツェルマット、アスペン、ウィスラー、クールシュヴェルなどの世界的なリゾートで、スキー文化の豊かな歴史とサービスの研究をしてきました。ヨーロッパのゲレンデ外でのライフスタイルの風をニセコに持ち込みたいと思っています。昔の映画でこれらヨーロッパのリゾートがどのように描かれていたかを思い出すと、アフタースキーのスタイルが大きく異なっていました。食べ物と音楽にコニャック、誰もが楽しい時間を過ごしています。これが、私が雪ニセコで再現するために最善を尽くしている体験の形です。

雪ニセコの開発で私たちがどこを目指しているのかというと、良いスキーリゾートの基本的な重要なポイントが全て整った状態になっていることです。雪ニセコには、あなたが必要とするサービスや施設がすべてあります。大浴場、個室温泉、ビューティースパ、ヨガスタジオ、キッズルーム、フィットネスジム、季節のイベントやアクティビティ、スキーショップ、スキーコンシェルジュ、ゲストサービス、そして、レストランに関しては、国際的な基準で評価を得ている、種類豊かなレストランを備えて、ゲストの皆さんが存分に楽しめるようになっています。

館内の施設やサービスはもちろんですが、ゲストがそれらの体験を発見できるように支援すること、それが私たちが非常に注力していることです。文化的な旅であれ、ウェルネスであれ、アドベンチャーな旅であれ、訪れた場所ではやることが沢山あります。私たちのチームはゲストが本当に思い出に残る休日を過ごすため、隠された経験を発見するためのお手伝いをするためにそこにいるのです。

90歳になる両親を連れて行った年を思い出します。それは非常に大変ではありますが、私たちは一人一人思い出に残る休日にするため、やりたいことを見つけて、三世代ほぼ一緒に行動していました。高齢の両親と雪の中を歩いたり、倶知安のお店を散策したり、小樽を訪れたり、温泉を楽しんだり、豆腐屋さんを訪れたりと、色々なことができました。そして夕方、みんな一緒に夕食をとりました。忘れられない、とても素晴らしい経験でした。

会長は注目を集める場所での大規模な開発プロジェクトにおいて大変経験豊富です。その経験によって、雪ニセコの建築をヒラフエリアの景観とどのように調和させたのでしょうか?

雪ニセコは、おそらくヒラフエリアでは最大のプロジェクトであり、国際基準ではそれほど大きくはありませんが、ニセコのような小さな町にとっては非常に大きなプロジェクトです。建築は時代を超越し、実用的で過酷な環境に耐える必要があります。しかし、最も重要なのは、その場所の存在にもならなければなりません。SC Globalでは、適切な建築、適切なデザイン、さらには場所を反映した適切なアートワークを入れる事に非常にこだわりを持っています。スキーリゾートにニューヨークやシンガポールのスタイルのデザインは必要ありません。ですから、雪ニセコのインテリアを見ると、とても和風なデザインになっていることが分かります。雪ニセコにご滞在の際は、日本を体験していただきたいと思います。空間に温かみを与える木をふんだんに使い、インテリアデザイン、障子、壁の和紙、本格的な畳など、日本の要素をたくさん取り入れています。私たちはそれらの日本の文化が正しく理解される努力を惜しみません。

サイモン会長から見て、ニセコの未来は何とでていますでしょうか?ニセコは今後10年後、20年後、どのように成熟していくと思いますか?

雪ニセコの開発に着手すると最初に決めたとき、私はこの事についてよく考えましたので回答は準備できています。70年代後半、私はバンクーバーにとても近いワシントン州シアトルの学校に行きました。現在のニセコは50年前のウィスラーのように感じるといつも友達に話しています。ウィスラーは昔ホテルが1つしかない静かな田舎でしたが、今日を見てください、需要は供給を生み出し、供給は需要を生み出します。旅行者が初めて行った場所で、その後その町の事をよく知るようになると、更に豪華なホテルに移行していきますが、国際的なブランドよりも、よりローカルでユニークなものを求めていきます。これは人々が施設の便利さや高級ホテル、認知された信頼できるブランドを求めるプロセスです。ニセコはまだ発展途上であり、2030年に北海道新幹線が開通し、新幹線駅が倶知安にできることで、国内での市場が本当の意味で開かれ、ニセコの魅力が国内市場に戻っていくでしょう。

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