Park90 にて北海道ワインテイスティング

  • 文 Tsuyuki

現在Park90は北海道庁のサポートを得て、ニセコ、シンガポール、台湾のワインバーでの北海道ワインの取り扱い開始に務めています。Park90グループのワインディレクター、メイソン ングは北海道のファインワインリストを作成するため、先日北海道のワイナリーを視察しました。その後のニセコ滞在期間中には、8種類の北海道ワインを用い、Park90ニセコにて北海道ワインのマスタークラスを開催しました。

Park90、マスタークラス、ソムリエであること、また北海道ワインの楽しみ方等々、メイソンにお話を伺ってきました。

Park90のシンガポールで最初の店舗を立ち上げました。Park90のチームについて、またどのように最初の店舗オープンに至ったのか、教えてください。

私はPark90のプロジェクトに最初に関わったソムリエでした。初めはフランスワインに重点を置いてpark90のワインのプロジェクトは始まりました。現在はギリシャ、ハンガリー、ブルガリア、チェコ共和国、スロヴェニア、中国、日本等様々な国のワインを取り扱っていて、今後も国際的に様々な国のワインの取り扱いを増やしていくつもりです。最近、Park90シンガポールとニセコの店舗での取り扱いに関して北海道庁の協力を得ることができました。

台湾、マレーシア(私自身もマレーシア出身です)、日本、中国シンガポール等チームメンバーは国際色豊かです。私たちはトレーニングとチームの成長に非常に重点を置いており、各メンバーのスキルレベルの高いチームが作られています。

アジアのベストソムリエに選ばれたのですね?このベストソムリエについて、またどのようなきっかけでソムリエになったのか教えてください。

実は、ベストソムリエに選ばれるとは思っていなかったので、私もとても驚きました。このベストソムリエの大会はソムリエにとって非常に難しい大会です。世界のベストソムリエを選ぶ大会ですが、その前に各国の代表選手を決める予選会があります。東京で行われたアジア/オセアニアの代表選考会はとても厳しい大会でした。コーヒー、日本酒、シガー、水、ビール、ワイン、蒸留酒、カクテル等飲み物に関するものが全て出題されます。一番大変だったのは、準決勝でした。コーヒー豆が3種類お皿に出されたものを与えられ、品種、生産国、焙煎につについて問われ、そのコーヒーを使った飲み物を3種類とそれらと食べ物のペアリングについて問われました。出題内容のほんの一部ですが、とても印象に残っています。

この後、世界ベストソムリエのタイトルをかけて、2月にパリで行われる世界ソムリエ大会に出場します。

北海道ワインは日本ではまだあまり知られていないと思います。世界各国の優良ワインを試飲してきたプロのソムリエとして、北海道ワインの品質についてどう思われますか?

私が3年前に初めて北海道ワインを試飲した時から比べると、非常に進歩していると思います。技術の向上もあり、品質は格段に上がっています。また、日本のソムリエたちが世界に日本のワインづくりを広めていることも大きな要素であると思います。今回のマスタークラスでも提供しましたが、平川ワイナリーとルレーヴワイナリーのワインがとても気に入っています。比較ということに関していえば、スタイルはドイツやフランスのワインによく似ていると思いますし、ピノ・ノワールやシャルドネは非常によくできていると思います。ドメーヌタカヒコや山崎ワイナリーのワインはとても品質が良い印象です。

ブドウ、土壌、酸等について北海道ワインと世界の他の地域のワインを比べるとしたら、どの地域が最も適していると考えますか?北海道はワインづくりにおいて特別な場所だと思いますか?

北海道はとてもユニークな土地だと思います。冬はとても厚い雪に覆われます。ブドウの品種に関しても、ドイツやオーストリアからのもので、普段あまり目にすることのないものが多いです。北海道でワインづくりに使用されている品種は通常あまり目にしないものが多いです。北海道でこれらを味わうことができるのは素晴らしいことだと思います。北海道ワインには物語があると思います。冷涼な地域で作られるので、良質な酸が生まれますし、ボディに関しても重た過ぎる、とても力強いということはありません。味わいもとても理解しやすく、好まれやすい傾向にあると思います。

北海道ワインを味わってみたいけど、どんなものから飲んでみたらいいかわからないという人に何かアドバイスはありますか?

北海道ワインを味わってみるのに一番いい方法は、レストランやバーに行ってソムリエに聞いてみることだと思います。なぜなら、お店にはソムリエによって選ばれたものしかおいていないからです。ただ目の前にある北海道ワインを手当たり次第買って飲むだけでなく、お店に行ってそのお店の北海道のワインリストを見ながら、地元のスタッフやソムリエのおすすめを聞いて選ぶのがいいと思います。

今週試飲したワインの中で、一番好きなワインとその理由を教えてください。

平川ワイナリーとルレーヴワイナリーが特に気に入りました。特にルレーヴワイナリーの雅はとても好みのワインです。非常に少量生産ですが、果実の品質がとても良く、素晴らしい酸があり、非常に良くバランスのとれたスタイルです。このワインのスタイルや味わいはまるでイタリアワインのようです。新鮮な黒系果実の果実味にあふれ、生き生きとして、タンニンも強すぎず、甘さも控えめで、複雑味があります。味わいに奥行きとミネラル感も感じられます。

ワインが好きな人はたくさんいますが、非常に多くの種類のワインの中から選ぶのはとても難しく、聞き慣れたブドウのワインを選んでしまう人も多いと思います。何かアドバイスはありますか?

まずはどのような傾向のブドウ品種が好きなのか、自分の好みについて知ることだと思います。飲んでみて美味しかったと思ったワインを写真に残すことをお勧めします。そして次のワインを飲む機会に、その写真やワインの名前をソムリエに伝えることで、ソムリエがそのワインの傾向に合うようなワインをリストから選んでくれるでしょう。ボトルを注文するとなるとカクテルを1杯注文するのとは訳が違うので、新しいものを試してみる、どんな味のワインかもわからないボトルを1本注文するということはとても怖いことかもしれませんが、ソムリエと話してみてください。十分に経験のあるソムリエなら、あなたの好みのワインをちゃんと選んでくれます。

家でワインを楽しむ時、一番好きなワインはありますか?

ボジョレーのワインです。フランスの冷涼なボジョレーで作られるワインが仕事の後に飲むのには最高です。

今後もマスタークラス開催の予定はありますか?また、北海道のワイナリーツアー等の開催は考えていますか?

もちろんです。チーム内でも話しています。マスタークラスは是非また行いたいです。

今回の北海道ワインのマスタークラスに参加してくださったお客様からもご好評をいただいておりますし、多くの人に北海道ワインの魅力を知っていただくためにも、是非また開催したいです。

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